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スウェイバック姿勢の特徴と筋肉への影響

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スウェイバック姿勢の特徴と筋肉への影響

スウェイバックは、運動不足の現代人に多い不良姿勢です。

猫背で腹が突き出たように見える姿勢であり、股関節まわりの筋力が弱っている方に多く見られます。

当記事ではスウェイバックの特徴や、筋肉への影響についてまとめました。

記事制作:株式会社ORGO「ePose編集部」
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目次

スウェイバックとは

スウェイバックは日本語で「後弯-平坦姿勢」と呼ばれ、背中は丸まり、腰の位置が前に出るとともに骨盤が後傾し、腹が突き出たように見える姿勢です。

一例として姿勢分析アプリePoseで分析した「スウェイバック姿勢」のデータをご覧ください。

AI姿勢分析アプリePoseで分析したスウェイバック姿勢のデータ

骨盤の前方偏位が強く出ていることでスウェイバックと判定されます。

英語ではSwaybackと書き、「上半身が下半身よりも相対的に後に位置する姿勢(Swayしている姿勢)」という意味を持ちます。

スウェイバックになる要因として大きいのが、楽な姿勢を保とうとする意識です。スウェイバック姿勢の方は、立ったときにお腹まわりの筋肉で姿勢を維持せず、股関節の可動域いっぱいのところで腰を引っ掛けるような立ち方になってしまっている傾向にあります。

結果として大腿四頭筋など下半身前側の筋肉が伸長し、ハムストリングスや大臀筋など下半身後側の筋肉が短縮し、スタイルの悪化や腰痛を引き起こすリスクがあります。

スウェイバックと反り腰の違い

スウェイバックは腰の位置が前に出ることから「反り腰」と混同されやすい姿勢です。

しかしスウェイバック姿勢は丸腰になることもありますから、「反り腰 or 丸腰」とはまた別の概念です。

※「スウェイバックかつ反り腰」になっている方も稀に存在し、そういった姿勢は現場で「反り腰スウェイバック」と呼ばれることもあります。

一般的に反り腰を含む不良姿勢にカイホロードシスとロードシスがあり、下記はそれらを比較した表です。

部位 スウェイバック カイホロードシス ロードシス
頭の位置 前に出る 前に出る 正常
背中 丸まる 丸まる 正常
前に出る 反る 反る
骨盤の傾き 後傾 前傾 前傾

骨盤が後傾しているのは、上記3種類の中ではスウェイバックのみです。カイホロードシスやロードシスは骨盤が前傾しており、そこがもっとも見分けやすいポイントの一つと言えます。

また「スウェイバック+反り腰」の姿勢も存在しますから、反り腰というだけではカイホロードシスやロードシスとは判断できず、骨盤の傾きを注視しましょう。

例外もありますが、基本的には下記のように分類すると良いでしょう。

  • 猫背で骨盤が前傾:カイホロードシス
  • 猫背ではなく骨盤が前傾:ロードシス
  • 猫背で骨盤が後傾:スウェイバック

なお「猫背+スウェイバック」も一般に見られ、これは全体的に前方への傾きや偏位が多く出ている姿勢です。

AI姿勢分析アプリePoseで分析した猫背+スウェイバック姿勢のデータ

スウェイバックの筋肉への影響

AI姿勢分析アプリePoseで分析したスウェイバック姿勢の筋肉影響データ

スウェイバック姿勢が影響する可能性がある筋肉についてまとめました。

スウェイバック姿勢で短縮(過緊張)しやすい筋肉

  • 上部前方腹筋(腹直筋上部、内腹斜筋上部)
  • ハムストリングス
  • 肋間筋

スウェイバック姿勢では、お腹の上側や肋骨まわりの筋肉と、足の裏側であるハムストリングが短縮しやすくなります。ただしハムストリングスを立位で触診する場合は、短縮・伸長どちらの状況でも緊張して感じるため、判断には注意が必要です。

スウェイバック姿勢で伸長(弱化)しやすい筋肉

  • 下部前方腹筋
  • 股関節屈筋群(≒腸腰筋)
  • 胸椎伸筋
  • 上背部筋群
  • 頸部屈筋群
  • 大臀筋(筋力低下のみ)
  • 大腿直筋(筋力低下のみ)

スウェイバックは腹圧をかけず楽に立つ姿勢になる傾向があり、結果的に上記さまざまな筋肉が弱化・伸長する可能性があります。

スウェイバック姿勢の方におすすめの筋トレとストレッチ

スウェイバック姿勢の方が正常姿勢を目指すための、おすすめエクササイズをご紹介します。

ペルビックティルト

主に腸腰筋が鍛えられる下半身のエクササイズです。1セット10回を目安におこないます。

  1. 四つん這いになり、手を肩幅に開き、肩の真下に置く
  2. 膝を肩幅に開き、股関節の真下に来るように置く
  3. 骨盤の前傾と後傾を繰り返す(上体が前後しないように注意する)

ストレート・レッグレイズ

大腿直筋と腸腰筋が鍛えられる、下半身のエクササイズです。1セット10回を目安にしてください。

  1. 仰向けになり、両脚をまっすぐ伸ばす
  2. 片脚を床から持ち上げ 90 度近くまで上げる
  3. 膝が曲がらないように注意しながら、左右交互におこなう

ツイストクランチ

主に外腹斜筋が鍛えられる、体幹のエクササイズです。1セット10回を目安におこないましょう。

  1. 仰向けになり、手を後頭部に置き、股関節と膝が90°になるようセットする
  2. 息を吐きながら、左肘を右膝に近づけるように身体をひねる
  3. 手だけが動くのではなく、上体をひねることを意識しながら、左右交互におこなう

裏腿のストレッチ

ハムストリングスをほぐすためのストレッチです。タオルを用意しておこなってください。

  1. タオルを足裏にかける
  2. 膝を身体に引き付け、もも裏を伸ばす
  3. 30秒を目安に続ける

腹筋上部のストレッチ

腹直筋上部をほぐすストレッチです。背中が丸まらないように注意しておこないましょう。

  1. うつ伏せになり、肘をつく
  2. 上体を反らし、腹筋の上部を伸ばす
  3. 30秒を目安におこなう

臀部のストレッチ

大臀筋をほぐすストレッチです。

  1. 仰向けになり、膝と足を手で持つ
  2. 足先と膝の両方を身体に近づけるように手で引っ張る
  3. 膝が外に開かないように注意しながら、30秒を目安に続ける

まとめ

スウェイバックは、運動不足の方に多く見られる不良姿勢の一つです。基本的には意識的に背筋を伸ばし、腹圧を高めた姿勢を維持することが、スウェイバック姿勢を解消するのに必要です。

当記事中に分析データを掲載したAI姿勢分析アプリePose(イーポーズ)は、写真を2枚撮影するだけで高精度な姿勢分析が実現できる、姿勢に関わる事業者さま向けのサービスです。ぜひ導入をご検討ください。

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